(問)市長は、山五小学校統廃合について、山五小の子どもたちに意見を聞く場を設けると約束したと仄聞をしているが、それはいつ設けるつもりなのか。既に議会が始まり、提案をされ、審議が始まっているが、結局、議決後に意見だけを聞き、政策には何も反映させないという態度なのか。
(答:市長)できるだけ早く、より健全な環境の下で集団教育を受けさせる教育上の措置であり、子供たちに理解をしてもらうため努力を惜しむものではない。
(問)子どもの権利条約を全く理解していない。条約第12条には、児童自ら影響を及ぼす全てのことについて自由に自己の意見を表明する権利が確保され、行政上の手続において直接にまたは代理人などを通じて聴取される機会を与えられる、と明記され、日本のこども基本法も同様である。議決前に子どもの意見を聴取すべき、間に合わないのであれば、市長が進言し計画を延期させるべき。
(答:市長)(子ども達を巻き込むべきではない、という教育部長答弁を受け)統廃合に対する議決を、子どもたちを交えてやるということではない。責任を持って学校規模の適正化を行うのは教育委員会。それに伴う不安や統合後の意見を聞き寄添うのは教育委員会行政の役割であり、不足部分を行政がフォローするという考え。なお、統合に向けて、転校することへの不安に寄り添うような意見交換の場は設けたいと考えている。
■山五小学校の統廃合について
(問)学校の統廃合について、三つの観点が重要。一つは子どもの教育にとってどうなのか。今回の統廃合の理由として、小規模校で様々な弊害が起こる可能性を挙げているが、むしろ、小規模校には様々な教育的メリットがあり、一人一人の子どもの顔と名前が一致する小規模校は、子ども同士、子どもと教職員との間に温かい関係の構築ができ、
学習面でも子どもの状況がよく分かり指導しやすくなるなどのメリットがある。二つ目は、地域の核としての役割からどうなのか。地域のコミュニティを紡ぎ教職員や生徒は、地域文化の優れた担い手である。さらに災害時には避難所にもなる。三つ目は、住民の合意が欠かせないということ。
以上、見解を求める。
(答:学校教育部長)山五小では、切磋琢磨する機会が少ないといった声や、学年によって男女比に極端な偏りがあるなど問題が顕在化している。統合により地域に与える影響については市長部局中心に適切に対応している。住民合意が不可欠とのことであるが、子どもの教育環境改善を進める責務は教育委員会にあると考えている。
(問)小規模校のメリットはないという認識なのか。山五小子ども達と行った懇談では、小規模校だからこその良さが数々語られ小規模校ならではの教育効果を実感した。教育長は教育者として、子ども達のこうした声に向き合うべきではないか。
(答:教育長)子ども達と共に、統合が必ずしもマイナスではない、これからの教育環境、学校のあり方について議論していく。
■市独自施策の障がい者福祉年金・難病患者等給付金の廃止、冷たい仕打ちやめよ
(問)この制度は、障がい者の生活の安定や福祉の増進を図ることを目的に、昭和42年に障がい者福祉年金として創設され、長年障がい者や難病患者の方々の生活の一助となる役割を果たしてきた。近年サービスの提供体制が整備されてきたとして役割を終えたとしているが、対象者は住民税非課税の低所得者であり、年金が下がり、コロナ禍や物価高騰で暮らしが大変厳しい今、追い打ちをかけるように廃止することは、あまりにも冷たい仕打ちである。
また、当事者には何も知らされず、意見も聞かれず、廃止が決定されようとしていることは、障がい者権利条約のスローガンである「私たち抜きに私たちのことを決めないで」にも真っ向から反する、このようなやり方でよいのか。
(答:福祉部長)当事者の意見については、これまでも障がい者団体からの要望書や、懇談会での意見交換の場において、福祉年金の継続や市独自の所得保障の創設を求める御意見を伺っている。その上で、慎重に検討を行い、制度創設当初の目的と役割を終えたと判断した。
(問)障がい当事者の方々から出された制度存続を求める陳情には「最重度の障がいを持つ息子が、親が亡くなった後も人間らしい生活が送られるように廃止しないでほしい」など、悲痛な声も添えられていた。今回の廃止という決定が市長の政治信条である、法にかない、理にかない、何よりも情にかなっているのか。
(答:市長)障がい者の方が自立した豊かな生活を送れるよう、より適した政策を選択し実現していく。これが理にかなう政策。その上で、いかに情にかなう政策ができるか、それを懸命に模索をしているところ。その意味で私の政治信条に反するものではない。
■新たな物価高騰対策を早急に行え
(問)長引く物価高騰への支援として政府は、エネルギー食料品価格等の物価高騰の影響を受けた生活者や事業者に対し、地方公共団体が地域の実情に合わせて必要な支援をきめ細やかに実施できるよう、重点支援地方交付金予算を追加した。千葉市では、中小企業や個人事業者に対し、エネルギー価格高騰対策支援金一律10万円を給付し喜ばれるなど、様々な各自治体支援を行っている。吹田市でも早急に、物価高騰に苦しむ市民や事業者への支援を実施すべき。
(答:行政経営部長)このたび、国から交付金の追加が示されているが、この段階で新たな取組を構築し、年度内に執行するのはスケジュールの面からも厳しく、既存取組において生じている一般財源負担への充当が現実的であると考えている。さらなる支援策の実施については、物価高騰の状況を見極めつつ、市民ニーズや国の動向、財政状況を踏まえ、必要に応じ検討していく。
■第4次総合計画基本計画の改定、財政運営の基本方針について財政の原則に立ち返れ
(問)井上維新市政時代には、経常収支比率や財政調整基金残高割合という指標を盾に、虚構の財政非常事態をつくり出し、自治体職員の採用停止やアウトソーシング計画、事業見直しと称し、多くの吹田独自の公共サービスを削減した。これらの指標を今回も踏襲しているが、財政の原則は「出ずるを量りて入るを制す」であり、住民が安心、安全な暮らしと、安定的な経済活動が行われるためにどんな課題が必要かを明確にする、これが「出ずるを量る」こと。
そして、行政が担うべき業務と経費を量る財政計画を立て、必要経費が自治体財政だけで賄うことができなければ、新たな財源を増やす道を住民合意で決めていく「入るを制する」ことが必要。今回の見直しで、この原則に立ち返るべき。市長の認識を問う。
(答:市長)過度な効率的経営は効果的な経営を阻害するという言葉がある。効果的な経営をするために、効率性を追求する。しかし、一方で、効率的な経営を目的としてその効果を図るという経営は間違いであると思っている。
財政の健全性を保ちつつ、現在及び将来への必要な投資を怠らないこと。結果として、本市の財政状況は健全性を保っているが、必要な支出まで抑制をして達成をしてきたものではないと考えている。
■すいたんの著作権侵害問題、どうする市長責任
(問)今回の著作権侵害問題について、都市魅力部長以下職員を訓告処分にしたというが、本来なら著作権侵害を行った議員に対し注意や抗議を行うことが筋である。これでは職員が気概と誇りを持って働くことができない。法令遵守や公正な職務執行を指導する立場にある、両副市長や市長にはなにも責任はないのか。どのような処分を行うのか。
(答:市長)もちろん部下の責任は上司である私の指導責任。今後、同様の事態が見受けられた場合には、今回の経緯を教訓として適切に対応するよう指導を行うことが果たすべき責任である。
※その他、●自治体民営化政策の限界について、●学童保育の民間委託と北千里地区公民館の民間委託問題、●地方自治の本旨についての市長の認識、について質問しました。