評価できること
●消防本部について
救急救命力向上のために、新年度から救急隊を9隊体制から10隊体制に増隊される。評価するとともに、いっそうの救命率向上に努力されたい。また耐震性防火水槽の設置について2か所が計上されている。引き続き計画的な増設を求める。また女性職員の採用増や管理職への登用などとともに、わが党が早急に改善を求めてきた消防署等の女性専用設備については計画的な整備が確認できたことは評価できる。また解体撤去後の中消防庁舎跡については地域からの要望が反映されるよう求める。
●本庁舎改修工事について
多額の予算計上と長期の工事が予定されている。当初の計画からの変更点として、わが党が要望した障害者等用駐車区画6台分に屋根の設置が追加されたことは評価できる。
●不登校対策について
この5年間で、小学生の不登校については、2019年度175人→2022年度315人と1.8倍になっています。2023年度に府のモデル事業で実施された、不登校支援員の配置は成果があったとして、あらたに市単費で5校に配置され、計6校で配置・実施されることについて評価できる。しかし、週4日、午前中のみであり、こどもたちの実態にみあった柔軟な対応と全校で実施されるよう、年度途中の予算措置も含め、積極的に対応されることを求める。
●妊娠・出産包括支援事業における産後ケア利用料の減免
所得の状況に関わらず利用しやすい環境を整える観点から評価できる。ただ市内で利用可能な施設が少ない。利用施設拡大に努力されたい。
●子育て支援センターの設置について
2022年の児童福祉法改正により、母子保健機能と児童福祉機能に子どもの発達支援機能も加えた子育て支援センターが設置される。関係部署が一層連携し、妊娠期から子育て期の複雑で多様な課題に対し、切れ目のない包括的な支援を図ることになる。体制強化で専門職の増員をされることは評価するが、いずれも会計年度任用職員である。安定的に専門職を確保するために、正規職員として配置する努力をされたい。
●福祉職場への資格取得・研修の支援
障害福祉事業者に対し、資格取得支援のための経費の一部補助する制度を拡充し、雇用前の職員も対象にし、新たに介護福祉士実務者研修を追加、補助率を全て3分の2にされたことは評価する。
●障害者グループホーム助成の入居率要件の緩和及び重度障害者受け入れ補助の創設等について
評価するとともに、さらに運営費補助の増額に努力されたい。
●物価高騰に係る福祉施設等への応援金支給について
昨年度に引き続き、市民生活を支える重要な社会インフラである福祉施設等の運営支援となり評価する。
●第2子保育料無償化、保育所4、5歳児クラスの保育士配置基準の拡充について
関係者や保護者、わが党も求めてきたものであり評価できます。さらに第1子の保育料や保育所0~3歳児の配置基準の拡充、拡充保育士の正規職員化に努力されたい。
●新たに子ども食堂等への運営費助成を実施
子ども食堂運営者から望まれていたものであり、ボランティアなどで運営している人たちにとって助けになるものです。今回の助成経費は、全額府の補助金で賄われるが、市独自でも支援し、現在10中学校区13か所で行われている子ども食堂を、目標の全18中学校区への設置、さらに小学校区に一つ以上の設置を目指し引続き取り組まれたい。
●所有者のいない猫の避妊・去勢手術等補助を増額
頭数制限廃止と市外の動物病院も対象にしたことは評価する。引き続き、地域猫活動をする団体への支援を広げ、住民トラブルの解消や環境美化及び動物愛護の啓発を図られたい。
●公園植栽の剪定回数増
昨年の決算委員会の提言を受け、3分の1にあたる公園の植栽の剪定回数を2回から3回に増やすことは、公園だけでなく周辺の良好な環境維持に資するものとして評価する。
●上の川遊歩道事業について
蓮華寺橋から花壇踏切まで北伸するための予算が提案されており、交通環境の改善に資するものとして評価する。
●卒煙支援ブースについて
民間事業者の寄贈により江坂公園、豊津公園に密閉型喫煙所が設置されることになるが、他の開放型喫煙所や喫煙所が設置されていない駅前でも受動喫煙防止のためにさらに設置個所を増やすこと、喫煙を始めないための取り組みを求める。この業務は、もともとたばこのポイ捨て禁止やまちの美化から始まっているが、今後は環境部ではなく健康医療部として推進することを検討されたい。
●バス停ベンチ設置補助を継続
新たに上屋の設置も対象とすることで、バス利用者のみならずだれもが一休みできるスポットとなることは評価できる。
要望・改善を求めるもの
●避難所の環境整備について
市が指定する避難所のうち、市民体育館、一部地区集会所で、冷暖房機能が整備されていない。現在、学校体育館のエアコン設置が進められているが、市民体育館への整備予定はない。現在策定中の、スポーツ推進計画、スポーツ施設整備方針での市民体育館へのエアコン設置にむけ、関係所管で協議するよう求める。
●人材マネジメントシステムの導入について
依願退職者が年々増加している。近年、自治体においても若年層の離職が大きな課題とのことだが、吹田市もとりわけ若年層の依願退職数が多い傾向にある。人材マネジメントシステムの導入は、人事情報をデータベース化しモチベーションの維持や離職防止のための適材適所の人事配置を行うことを目的としているとのことであるが、初任給が中核市で最低水準であることを改めることや各職場内での日常的なコミュニケーション、育成事業などを組み合わせた一層の努力を求める。
●犯罪被害者見舞金について
制度を創設されたことは評価できるが、その対象者の範囲に同性パートナーを認めるかどうかについては、3月26日に国の犯罪被害者給付金をめぐる最高裁の判決を受けて検討するとされている。パートナーシップ宣誓証明制度を持つ本市においてはそのことを待たずとも、同性カップルも対象とするよう求める。
●学校給食費補助について
小学校無償化は半年間、中学校給食の半額補助は1年間実施される。経済的支援として、継続されることは評価できるが、小学校については「半年間」としていることについて、年間を通しての実施や、さらに恒久化していくことについて検討するよう求める。
●不登校対策について
中学校の不登校は、2019年度345人→2022年度486人と約1.4倍になっている。新年度からは、南千里駅前の総合防災センター内に教育センターが移転し、これまで別の場所にあった、光の森と学びの森が一緒になり、教育支援教室として拡充され、支援学級の児童も受け入れ対象となりる。支援が充実するよう、十分な人の配置を求める。基本は、こどもたちの心のケアとともに、それに対応できる教職員を学校に配置すること。市の単費での配置に踏み出すよう求めまる。
●学校図書費について
昨年に比べ、少し増額はされているが、小学校は309,389円、中学校は197,222円で、全国平均と比較すると、小学校は158,611円、中学校は459,778円も少なく抜本的に拡充するよう求める。
●情報発信プラザ「インフォレストすいた」の廃止について
当初から、その必要性と高額すぎる家賃に見合った活用になっているのか指摘してきた。3年前に契約更新したことにより、現状復旧費用が発生することになった。決断が遅すぎる。エキスポシテイ設置に固執していた後藤市長は反省すべき。
●地域経済への物価高騰対策について
コロナ禍、物価高騰と苦しい状況が続いている地域経済を応援する、具体的に支援をしていく対策が全く提案されていないのは残念としか言いようがない。早急に支援策含め、商業を応援する対策がおこなわれるよう求める。
●学童保育の施設改修について
計画的に進めようとしていることは認めるが、改善要望について、積極的に取り組むよう求める。とくに、悪臭がひどく使えない、扉がカーテンとなっているトイレについて「トイレは人権」の意識を持ち、改善を進めるべき。また、災害時の放送の受信が整っていない育成室についても早急な改善を求める。
●学童保育の指導員の確保と待機児童対策について
指導員確保を進めるとして、民間委託をすすめ、現在12カ所、新年度から14カ所、そして更に4カ所の民間委託が計画されている。人材派遣を導入し、多額の費用をかけたものの、人材確保につながっていない。また、昨年から4年生の居場所としてスタートしたキッズスクエアは、11カ所で新年度はスタートする。こどもたちの放課後は単に居場所があればいいというものではなく、保護者の就労保障で、こどもにとって豊かな放課後を保障するもの。100人を超えるこどもの命を預かる現場に正規職員がいないことに関し、市長は昨年の選挙中に指導員の任用の在り方を見直すとしていたが進んでいない。居場所事業に行くことになった4年生の「リーダーになりたかった」という気持ちを打ち砕くことがないよう、待機児童対策に取り組むことを求める。
待機児童が生み出される理由については、指導員の欠員によるものとされてきた。そして、その唯一の解決策として民間委託が進められてきたが、一向に改善をされていないのが現状。留守家庭児童育成室は、有資格者によって保護者の就労と児童の豊かな放課後を支えてきた。正規職員、フルタイム勤務など、任用形態の見直しや対人援助の専門職としての育成が図れる職場環境を構築することが最も重要であり指導員確保に向けた抜本的取組を強く求める。
●重度障害児・者の外出支援について
一般タクシーに加えリフト付き福祉タクシーを対象にクーポンを支給することは評価するが、一般タクシーについては1回の乗車につき2枚までと制限をせず、必要な枚数が使用できるように改善されたい。
●北千里駅前再整備について
千里ニュータウンの街並みにふさわしい駅前再整備とすること、地域住民との対話、説明責任を果たすことを求める。今後準備組合が住民の意見を取り入れるかどうかは不明であり、公共部門である都市整備推進センターの役割を発揮するため市としても努力することを求める。
●大阪府が進める万博公園南側活性化事業について
現在示されている事業者案では、地域住民からの意見が反映されている部分もあるが、住宅展示場跡地に、共同住宅を設置する内容は変わっていない。今後計画案が出されたら、適正に審査すると言うが、これまでも市は、住宅建築は認めないと明言されておらず、事業計画にあうように条例の解釈を変えてはならないと考える。スポーツ・レクリエーション地区にふさわしい街となるよう、市は主体的な対応が求められている。
●自転車用ヘルメット購入の補助について
件数を、1000件としているが、申請数に見合った補助件数となるよう増額を検討されたい。(一般会計予算意見②に続く)