常任委員会意見でも述べましたが、軽減判定基準の変更については、所得が一定基準以下の世帯に対して、均等割、平等割の保険料を軽減する措置が取られるなど軽減判定基準が見直され、保険料が引き下げられる対象世帯が拡大することは、私たちも求めてきたことであり評価するものです。また、退職者医療制度の廃止については、対象者が激減し、実質的な影響がないことから制度廃止は理解できます。
しかし、賦課限度額の変更については、例年、年末の税制改正大綱の閣議決定を受けて政令改正に基づき、吹田市国民健康保険条例の一部改正を行っていましたが、来年度以降は、大阪府国民健康保険運営方針で定められた額とするもので、これは、各市町村が国保料を決めると現在も定められている国民健康保険法の趣旨に反するものではないでしょうか。
国会における「国保の都道府県化」の議論においても、厚生労働省は、「都道府県化」実施後も、「一般会計の繰入は自治体の判断でできる」「生活困窮者への自治体独自の軽減は問題ない」と答弁するなど保険料の賦課権は市町村にあるとしています。これらは、地方自治の原則を完全否定することはできないからです。
今回の改正案では「大阪府が法第82条の3第3項の規定による通知を行った日において施行されていた政令の規定に基づく基礎賦課額の限度額を超えることができない。」としていますが、法第82条の3は、毎年度、厚生労働省令で定めるところにより、当該都道府県内の市町村ごとの保険料率の標準的な水準を表す数値を算定し通知すること、としか書かれておらず、それを市町村の保険料とせよ、とは書かれていません。ですから、いくら大阪府が統一保険料となったとしても、自動的に限度額を含めた保険料の決定を大阪府に委ねることは、自らの権限を放棄していくことになり容認することはできません。
吹田市は、府内統一化が行われ実質的な賦課権が大阪府に移った元でも、法の趣旨にのっとり、賦課限度額も含めた保険料の決定に最終的な責任を持つべきなのです。
(賛成多数により可決。日本共産党は反対)
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