100条委員会の調査報告書 全会一致で可決 |
2014.4月 市議会報告 105号より |
市長に「市場価格との差額800万円の賠償を求める」
2011年3月に市が発注した太陽光パネル設置工事を中心としたグリーンニューディール基金事業に関する調査報告書の内容は以下のとおりです。
1.国と吹田市の関係について
国からの補助金を執行する際自治体に求められるのは「善良な管理者による注意義務」です(補助金適正化法)。しかし、今回適正な予定価格を設定しなかったため、少なくとも市場価格を800万円上回る金額での随意契約になったことは「善良な管理者による注意義務」に反しています。よって、国から交付取り消し事由にあたると判断しました。
2.市長の責任
市長は市の予算の執行に責任を負っており、その際には効果的で必要以上支出しないことが求められています(地方自治法、地方財政法)。ところが適正な予定価格を積算しなかった随意契約を、点検もせず漫然と決裁したことにより、市場価格を上回る800万円の損害を井上市長は吹田市に与えています。よって井上市長は相当額を吹田市に賠償する責任があります。(なお、関係した職員は上司の指示を仰ぎ組織的に事務を行っているため、個人の責任は問いません。)
3.利益供与の有無
関係職員、事業者からは市長の指示や関与があったとする証言はありませんでした。しかし、通常行われないような不自然な事務手続きがなぜ行われたのか、説得力のある説明がなく、疑惑を払拭することはできませんでした。
今後について
井上市長に800万円を賠償請求できるのは吹田市であるため、議会として民事裁判を起こすことはできません。また、利益供与についての証言はなかったため、刑法上の責任を問うことはできず、報告書では強制的な捜査能力を持つ機関が捜査すれば別の展開もあるとの可能性を指摘するにとどめています。
日本共産党は「市長は800万円返還すべき」と市長をただしましたが、「契約自体は適法だから賠償しない」と開き直っています。適法かどうかについては、100条委員会の結果と市のガバナンス委員会のまとめで判断が分かれており、これら相違点について、副市長は「精査する」と述べました。引き続き、議会の中で追及してまいります。