【9月議会】学童保育の民間委託 全会一致で「保育水準の維持の検証を求める」附帯決議 | 2015.11 市議会報告 111号より |
9月議会
9月29日から10月19日まで9月定例議会が開かれました。日本共産党からは塩見みゆき議員が代表質問を行いました。病児・病後児保育の拡充や、待機児対策の保育所定員増、学童保育の民間委託予算が提案され、全会一致で可決されました。マイナンバーカード再発
行の手数料を課す条例案については、そもそもマイナンバー制度は個人情報保護など多くの問題があるため、日本共産党は反対しましたが、可決されました。
また、9月30日にサッカー専用スタジアムが募金団体から吹田市に寄贈されたことを受け、本会議最終日には議員と市長以下理事者全員がガンバ大阪のユニホームを着て、議事を行いました。
市の方針決定
議会に先立つ市の経営戦略会議では、2016 年4月から5か所(山一、山三、西山田、津雲台、青山台)、2017年度6か所(場所は未定)の学童保育を民間委託し、4月に委託事業でスタートした新設校の千里丘北小学校と併せ、36学級のうち12学級を民間事業者(社会福祉法人もしくは学校法人)に委ねると決定しました。
吹田市は、新制度に基づく子ども子育て事業計画において、保護者の長年の要望であった年限延長について、2017年度から小学4年生まで、2019年度には小学6年生まで引き上げるという目標を設定しましたが、学童保育指導員の募集をしても集まらず確保が困難であり、その唯一の解決方法として、民間委託を拡大すると説明しています。
学童保育の歴史
吹田市の学童保育は1966年から始まり、1982年には条例が制定され、公設公営で運営されてきた長い歴史があります。子どもの利益を最優先に職員と保護者が協力し合い、学級ごとの伝統が引き継がれ今日まで運営されてきました。
保護者から懸念の声
このような経過から、保護者や関係者からは、年限延長の要望が実現することを歓迎する声よりも、むしろ民間委託により子どもたちの生活の場である学童保育の環境が変わることや、配慮の必要な子どもへの影響を懸念する声が多く寄せられました。吹田学童保育連絡協議会からは、民間委託拡大方針をいったん撤回し今後の学童保育のありかたを検討すること等を求める要望署名が、短期間に1万6千筆を超えて市長及び議長に提出されました。
今後の検証が課題
こういった保護者や関係者の声を活かすために、日本共産党は予算の議決と併せて附帯決議を挙げることを提案しました。「民間委託拡大に問題はない」としていた会派もありますが、最終的には「保育水準の維持についての検証体制を整えること」という決議を全会一致で可決しました。附帯決議の可決は、吹田市議会において過去2回しか例がなく、極めて重い意味を持つものです。
今後、子ども子育て審議会での学童保育に関する部会設置など、検証体制を具体化させていくために奮闘するとともに、委託によらない指導員確保策などを提案していきます。