市議会報告

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条例・予算などの議案 2022.1・2
市議会報告 135号より

条例などの議案

障害者支援交流センター(あいほうぷ吹田)指定管理者制度の導入は問題

これまで事業のみを委託するという手法だったのが、施設の管理も含む「指定管理者制度」になります。主たる運営費は介護報酬とあわせて、医療的ケア者の受け入れ実績や提供するサービスによる出来高払い制が導入されるものです。
日本共産党以外の賛成で可決されました。

・あいほうぷの成り立ち

二度の請願採択(1989年・1994年)
 重度障害者が毎日通える医療の整った施設の整備を求める請願が提出され、全会一致で採択されます。
 あいほうぷの整備と市独自の職員配置を可能にする重度加算制度につながっていき、2001年5月、障害者支援交流センター(知的障害者更生施設、身体障害者デイサービス、知的障害者デイサービス、障害者の短期入所施設の4事業の実施)がオープンしました。

→ わたしたちはこう考えます

運営費の保証が不十分 公的責任の後退は認められない
 指定管理者制度を導入し介護報酬を主たる運営の費用としていますが、利用する重度障害、医療的ケア者は健康面で不安定で、通所を休むこともあるため、日額制の介護報酬はその利用回数に左右され安定的なものではありません。また、「医療的ケア者の受け入れ実績や提供するサービス内容に応じた出来高払いによる運営補助」を検討しているとのことですが、医療的ケア者の受け入れを増やすには、看護師、理学療法士等専門職の配置や、本来なら医師の常駐も必要です。福祉の仕事は専門的な仕事でありながら、社会的評価や給与が低いため、人材確保は容易ではありません。医療的ケア者の受け入れ促進のために、人材確保策や人件費の保証について示されておらず、不安要素しかありません。
「わたしたちのことをわたしたちぬきに決めないで」
 地域の重度障害者が通う施設として、これまでの培われてきた財産を放棄することなく、さらに継続し発展をさせていくことが求められています。重度重複障害のある人にとって、指定管理者制度の導入は、環境の変化や介助をしてくれる人の交替などに非常に不安が強く、敏感になることがあり、環境の変化に慣れ親しむまでに数か月、時には数年といった時間がかかります。その間に体調不良に陥ったりすることがあり、運営者が変わることは望ましくありません。事業者が公募により代わっていくような指定管理の仕組みは到底なじまないこと、障害のある人自身が事業者を選べないことは問題です。
 重度障害や医療的ケアの必要な利用者のみなさんの命や安全を守り、発達を保障する安定した運営や、障害者の権利を守ることに市が責任を果たし、今後も発展させていくことが求められます。


市民病院の中期目標

2014年に地方独立行政法人となり、4年ごとに市が市民病院の中期目標を定め、その目標にもとづき計画が策定されます。
第3期の中期目標は「市民の福祉と健康の増進を図る」の文言はなくなり、医療に限定した記載となっています。
障害者の歯科診療、わかたけ園のこどもたちの装具の更新、休止した休日昼間の小児救急など、不採算となる部門の医療などについて市民病院がその役割を果たすように求めました。


専門的知識を有する任期付職員の採用条例

中核市に移行したことに伴い、職員も法的能力のスキルアップができるよう弁護士を5年以内で採用します。


指定管理者の指定(市営住宅以外は同一業者)

・市民公益活動センター

・吹田市文化会館

・南山田市民ギャラリー

・吹田市立高齢者生きがい活動センター

・吹田市自然体験交流センター

・吹田市営住宅 (株)日本管財が指定管理者に

・夢つながり未来館青少年活動サポートプラザ 今回から、施設の管理とあわせてプラザの事業も行う。


学童保育の民間委託の計画を公表(2021年11月1日)

指導員の欠員解消が見込まれるとして、新たに8か所の民間委託を行うと計画を公表しました。
2023年から順次委託を行うとして、2023年4月から吹二育成室と山二育成室の委託に向け、保護者への説明会がはじまっています。

→ わたしたちはこう考えます

これまでも12か所の民間委託が行われてきましたが、欠員の不足は解消されていません。根本的な解決は指導員が働き続けられるようにしていくことが必要です。
もともと計画していた6年生までの年限の延長や要望の多い、時間の延長に取り組むためにも指導員の処遇改善と専門職として働き続けられるような現場の体制をつくることが求められています。


主な予算

不育症検査および治療費用助成

2021年4月1日以降に実施した治療と検査の助成


公立幼稚園の給食提供を週1回実施


教育データの一元管理へ「吹田市学校教育情報通信ネットワークの再構築」

新しく再構築されるシステムでは、別々に管理されていた@氏名や生年月日など児童・生徒の属性に関する情報Aテスト結果や成績B健康診断の結果などの保護情報が一元管理に更新されます。

→ わたしたちはこう考えます

テレワーク対策や研修支援体制、ソフトウエア間の連携については理解できるが、@国のビッグデータ活用に利用されることA一元化に伴う情報漏洩の可能性について、危険性が増すことは否定できません。
市は、「国とのデータの共有は当面はない」としているものの、法律が改正されるなど条件が変わればデータ共有のためのシステムになるのは、ほぼ間違いがありません。個人情報の提供を求めるなら、行政への信頼と理解が必要です。学校内部のこととしてとどめず、保護者や市民にシステム統合の目的やセキュリティ対策について、説明責任を果たすことが必要です。


コロナ関連

子育て世帯への臨時特別給付金

→ わたしたちはこう考えます

給付金の基準日が2021年9月30日となるため、10月1日以降に離婚が成立した場合、子どもと同居していない非同居親に給付される可能性があります。また、DVなどで避難をしている人は、加害者に給付されてしまうと、被害者には給付されません。特別定額給付金の時と同様に救済が必要です。新生児については2022年3月31日生まれまでとしていて差異があり、市独自で対象に含めて給付できるようにすべきです。
今回所得制限により対象外となった世帯は約20%。対象外でも現に困っている世帯には、市が独自で救済することを求めました。


住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金

→ わたしたちはこう考えます

支給対象者には「確認書」が送付されます。市は、返送されるのを待つだけでなく、確実に給付されるように最後までのサポートを実施するように求めました。
個人への給付は「本当に困っている人に届くようにする」というのが大前提です。国の示している条件は「住民税均等割非課税世帯」です。単身者で給与収入が100万円を超えると課税世帯となり対象から除外となります。また、コロナが原因で収入が減り、困窮している人も課税世帯であれば給付されないため、市が独自の救済策を行うことを求めました。

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