日本共産党吹田市議団/市議会報告特別号
「行政の維新プロジェクトを考える」
市民のみなさん
4月の地方選挙で当選した「大阪維新の会」の井上市長が就任早々「財政非常事態宣言」を発表し市として取り組む課題を「行政の維新」「地元経済の維新」「教育の維新」からなる「3つの維新」にまとめました。
そして最優先課題として「行政の維新プロジェクト」と銘打って市長を座長とした「マネジメントチーム(MT)会議」を立ち上げ、「収入に合わせて予算を組む」財政規律、市職員数削減と賃金の引き下げ、事業見直しとしてアウトソーシング(民間委託など)や吹田市独自施策の廃止などを打ち出しました。同プロジェクトの内容が市民生活に大きくかかわることなのに市民に知らせずにすすめるという手法に問題があると考え、市の経営戦略会議で決定された方針をまず市民の皆さんにお知らせするために、今回の特集号を作ることにしました。
こんな決め方、おかしくないですか
市民不在の「行政改革」
「維新」という言葉は、「何か変えてくれるのでは」という幻想を市民に与えていますが、中身は市民サービス切り捨ての「行財政改革」そのもの。市民は吹田市の暮らし・福祉の施策切り捨てを新しい市長に期待したわけではありません。
今検討されている中身とは保育所の一部民営化や幼稚園の統廃合、福祉年金や重度障害者支援の廃止など、私たちの暮らしにかかわるものばかりです。
外部委員からは「独自事業は廃止、ということを基本方針にしておかなければ、各事業について、利害関係者や受益者、所管部が必要性を主張することとなる。」という発言も。
提案します――
市民の声を反映させるしくみを!
「行政の維新プロジェクト」は施策の削減・後退・民営化ありきで、市民や現場の意見を聴かず市長お抱えの有識者によって密室ですすめられており、どんな影響が出るのか明らかにもせず市民の声を反映させる仕組みは全くありません。
しかし、行財政改革は本来限られた財源で地方自治の役割である「住民の福祉の増進」を図るために行うものです。情報の公開による共有化と透明性が確保され、市当局・市職員・議会・市民が英知を結集してすすめるべきものではないでしょうか。
「行政の維新プロジェクト」の影響額 | 2011.10 市議会報告 特別号より |
「行政の維新プロジェクト」に取り組めば、これだけの効果額が見込めるというのが市の試算です。しかし裏を返せばこれだけの金額の市民負担増となり、あるいは市民の財産が減ってしまうということになります。市民の暮らしが大変な時にさらに負担増を強いるやり方はかえってマイナスの経済効果を与えかねません。
→事業の見直しについての市の考え方
1 | 市独自で実施している事業は原則廃止・縮小の検討をおこなう |
2 | 単独扶助費(解説@)については住民一人当たりの額を府内特例市並みとする |
3 | 事務事業のアウトソーシング(民営化・業務委託など)をすすめ職員を減らす |
4 | 市有施設は本来の目的が薄れたもの、費用対効果に著しく問題があるものは早期廃止を検討する |
5 | 1〜4の見直しについては外部有識者を含めた「事業見直し会議」を公開の場で開く |