市議会報告

記事詳細

2015年3月議会をおえて
反維新の先頭に立ち、政治の流れを変えるために全力を尽くす
日本共産党吹田市議会議員団
2015.4月
市議会報告より

議案の特徴

一 4月のいっせい地方選挙を控え、骨格予算である2015年度一般会計当初予算は、これまで継続的に行ってきた事業の予算が提案された。

二 2014年3月議会で取り下げた「保育所民営化移管先選定委員会設置条例」が、保護者への説明会を開くことなく突然提案された。この条例に伴う予算が、骨格予算であるにも関わらず一般会計当初予算に含まれた。

三 吹田市独自の職員給与の引き下げと、人事院勧告実施を合わせた条例が、12月定例会に提案されたが、労使で十分話し合えていないとして委員会では継続審査となった。今回、労使間での交渉は行われたが、妥結をみないまま再提案された。

審議の経過・結果

一 2015年度一般会計予算については、日本共産党と山口氏が反対し、残る自民・公明・民主・新選会・市民自治と、みんなの党から鞍替えした大阪維新の会等が賛成したため可決した。
 開会にあたっての市長挨拶では、吹田を元気にするとして、今秋完成予定のガンバ大阪専用スタジアムと、国立循環器病研究センターを核として操車場跡地周辺を含む医療クラスター形成、エキスポランド跡地の複合商業施設「エキスポシティ」、2020年の東京オリンピックでガンバスタジアムをサッカー会場候補とする意向を示し、にぎわいを創出するとした。一方、市民福祉・サービスカットや、公共施設使用料の引き上げ、減免制度の実質廃止、学校校務員や給食調理委託などなんでも民営化を進めたことについては、「批判もあったが、徹底的に無駄をそぎ落とした」と4年間を振り返り、胸を張った。 
 このような市長の政治姿勢に対し、日本共産党を除く会派は部分的に批判したものの、予算を含むすべての議案を圧倒的多数の賛成で可決するという、これまでにない「順調な」議会であった。
 4月の市長選挙で井上市長の対立候補を推薦する自民・公明・民主が井上市長の当初予算に賛成したことは、その政治的立場を改めて問われることになる。さらに、2014年3月議会で市長不信任決議案を出した会派まで賛成したことにより、1年前の不信任決議騒動がいかに市民不在で党略的であったかが証明された。

二 2月後半、公立保育園民営化計画1園目とされている南保育園に、3月議会への民営化移管先選定委員会設置条例の提案を行う旨の張り紙が掲示された。
 2014年3月議会の際に「丁寧に説明を行っていく」とした市の約束は破られ、その後6月に一度説明会が行われただけであった。
 市と保護者の間のルールとして、「事態が進展したら説明会を開催する」としていたが、昨年11月市が開催を申し入れたものの具体的な進展はないとのことだったため、保護者側は「6月の説明会で出された五つの疑問に答えていただきたい」という文書を送付した。しかしそれには何の回答もなく、以前と同じような「民営化Q&A」が配られただけであった。そして突然の張り紙によって保護者に知らされることとなる。日本共産党の質問で、これらの事実経過が明らかにされ、「丁寧に説明をしてきた」という市の答弁が事実と異なることが判明した。
 委員会質疑では、説明会を行わなかった市の対応に対し、各会派からその不備を指摘されたものの、最終的に本会議では日本共産党・山口氏・梶川氏を除く多数により可決された(翔の会、自民一部退席)。
 慎重に進めてほしいという保護者・関係者の1000人を超える請願は不採択となり、保護者の思いは踏みにじられた。
 議決はしたが、選定委員会委員の選任等、具体化はこれからであり、今後も市民と共同して闘いを継続していく。
 なお、今後の闘いにおける展望が4月の統一地方選挙の結果に大きく左右されることは明白である。
 「民営化ストップ」を掲げる日本共産党が、府・市議会で議席を獲得し、躍進と呼べる結果を勝ち取ることができるかどうかが大きな影響を与える。

三 市長は「財政非常事態宣言」を昨年9月に解除したにも関わらず、「職員給与の適正化」を目的をとして引き下げを提案した。
 2012年1月から特例的に減額し、2014年3月末で終了予定だった特例減額は1年延長された。今回の恒久的な引き下げは、2015年4月採用予定者の初任給をいきなり下げる(大卒で約7%)ものであり、「求人票と実際の勤務条件が違う」ブラック自治体といえる。
 井上市長就任後、職員採用を3年間凍結し、深刻な人手不足を招いた。給与削減と職員数削減により、「行政の維新プロジェクト」の効果額の大半を職員人件費の削減でまかなってきた。
 日本共産党は人事院勧告を実施するためだけの条例案を提案し、それ以上の減額については労使合意の下再提案するべきと対案を示したが、市長提案に日本共産党と山口氏以外が賛成し可決された。

 なお、日本共産党は今任期中のみ行っている議員の報酬10%削減について、改選後も5%削減する条例案を提案したが否決され、議員の報酬は改選後もとに戻ることが決まった。

 今議会では、公立保育園民営化問題、職員給与引き下げ問題であらためて、維新政治の正体がはっきりした。暮らしと福祉の破壊、市民の声を聞かない強権・独裁政治である。
 維新の暴走に対して、市民と共同し、正面から対決したのは日本共産党だった。他の政党会派は対決軸を見出させず、維新の暴走に追随・協力した。
 政権与党が「戦争立法」を企てる中、「憲法9条守れ」の声を統一地方選挙で大きく広げることがもとめられている。自民党以上の維新の暴走と正面から対決し、反維新の先頭に立つ日本共産党の躍進を勝ち取り、政治の流れを変えるため全力を尽くす決意を改めて表明する。

サブメニュー

お問い合わせはこちら

Get Adobe Reader
PDFをご覧になるには