市議会報告

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吹田操車場等跡利用対策委員会で
日本共産党議員団があきらかにした問題
2005.2
市議会報告 66号より
まちづくり・住宅

問題1
梅田貨物駅売却、移転の大義名分が崩れる
梅田北ヤードの大型再開発の犠牲を吹田市民に押し付けるな!

◆1987年に国鉄が「分割民営化」され、梅田貨物駅を売却して債務を返済する方向が閣議で決められた。(吹田操車場跡地に移転することは決定には無い)当初は売却によって、貨物駅移転の経費を差し引いても債務返済にかなりの額を回せると見込んでいた。しかし、今は地価の下落で梅田北ヤード(貨物駅)の先行売却では、33万円/m2といわれている。これでは北ヤード全体でも八百億円に過ぎない。さらに、北ヤードの一括売却も困難になっていると報道され、仮に吹田と百済に移転するとしても移転事業費を引けば赤字になりかねない。これでは「梅田貨物駅を売却して旧国鉄の債務返済に充てる」という大義名分が崩れ、移転計画そのものの是非が改めて問われています。
◆いま、大阪市と経済界が北ヤードを「都市再生」「関西経済の起爆剤」と盛んに宣伝しているが、大阪市の大型開発事業はWTC、ATCなど失敗を重ね大阪市の財政はたんの原因を生み出しています。財界や大企業主導のむだな大型開発に税金を使うのをやめて、梅田貨物駅を存続させ、住民に役立つ土地利用を進めるのが自治体本来の役割です。跡地利用の吹田市でも言えることです。

問題2
「鉄道・運輸支援機構の環境影響評価書」は
環境悪化をくいとめる為の具体策が示せていない

◆「評価書」では、「住宅集合地域である泉町1丁目から西ノ庄までのあいだ貨物専用道路を最大3.5m程度南に(準備書計画より)ずらす。遮音壁の高さを1m高くし4mにし一部分半覆蓋構造に、地下部の勾配をできるだけ暖くする。営業用機械の低公害化に努める。事後監視の協議会設置。インターネットでの情報公開」などを環境対策の最大の改善、努力をしたとしているが、根本的な対策については抽象的で、具体性がありません。
◆吹田市環境影響評価審査会が「排出ガスは市の目標値の達成及び維持に支障をきたさない、環境の保全の目標との整合性が図られている、という事業者の評価は適当でない」と厳しく指摘されたことにたいして、事業者の今回の「評価書」でも、「貨物駅移転でも寄与率(現在の環境に与える影響)が大きくない」と今までの主張を繰り返し、「開業までの技術開発の動向を踏まえた大気汚染技術を可能な限り採用する」としただけで、具体的な対応策を示すことができず、特別委員会での党市議団の追及にも抽象的な内容の答弁に終始しています。

<具体的やりとりの主な項目>

●貨物関連自動車の低公害化について
(=文書で関連企業に誘導・要請する)
●貨物車両入替用機関車を全車両電気機関車にせよ
(=ディーゼル機関車は残す、その低公害化については貨物駅開業をめどに開発・努力する)
●早朝・夜間の貨物専用道路を閉鎖すべき
(=夜間の走行は必要不可欠、閉鎖できない)
●貨物線路のロングレール化を実施せよ
(=上り線路のロング化は可能な範囲で検討しているが、下りについては技術的に可能であるかどうかこれから検討する)
●貨物専用道路の全面地下をなぜ検討しないのか
(=JR東海道本線の安全に必要な土被り厚さが確保できないので不可能と答弁し詳しい回答をさける)
●積極的に情報公開すると言っているがなぜ移転事業見積費や梅田北ヤード売却予定額を公表しないのか
(=現時点では各方面にご迷惑がかかる、着工合意のめどがついた時点で公表する)

問題3
大阪市内の移転先(梅田貨物駅の2分の1)
百済駅周辺市民も「これ以上の環境悪化は反対」
と白紙撤回を要求!

◆昨年2月、大阪市内への移転先とされている東住吉区の百済貨物駅周辺での住民説明会(400人参加)では「一方的な計画の押しつけは許せない」「出入りするトラックなどが1200台も増えて1日1760台にもなる杭全交差点の交通渋滞、大気汚染、騒音は深刻」「これ以上の環境悪化には反対」などの意見が相次ぎ、「移転計画の白紙撤回を求める」署名が住民の82%にもあたる10089筆も集まり、大阪市と鉄道・運輸支援機構にだされています。
◆吹田市でも2002年(平成14年)に事業者の「環境影響評価準備書」に対して、市民意見書が11014通出され、その99%が「吹田への移転計画反対」と表明されました。
◆「基本協定」では第1条で大阪市内での2分の1の移転を明記し、第3条では環境対策について「環境を悪化させない」こと、また、第6条で「円滑な住民合意」を求めています。さらに、吹田市の合意がなければ事業着手できないことも第7条で明確になっています。
基本協定から見ても…!

梅田貨物駅の吹田操車場跡地への移転計画に関する基本協定書

(貨物取扱量等)

第1条

 吹田貨物ターミナル駅(仮称)(以下「吹田貨物駅」という。)における年間貨物取扱量は、コンテナ輸送とピギーバック輸送とを合わせ、100万トン以内、かつ、梅田貨物駅機能の約半分とする。

 JR貨物は、梅田貨物駅に残る貨物については、大阪市内で取り扱うものとし、大阪貨物ターミナル駅へは移転させないものとする。なお、大阪市内での取扱いについては、鉄道公団が責任をもって大阪市等関係機関と協議し処理する。
(貨物専用道路)

第2条

 鉄道公団が行う吹田貨物駅への貨物専用道路は、その道路中心線が鉄道敷地内を通ることとする。

 吹田貨物駅に出入りする貨物関連自動車は、1日当たり往復1,000台以内とする。
(環境対策)

第3条

 鉄道公団は、吹田貨物駅及び貨物専用道路の事業計画(以下「事業計画」という。)の策定に当たっては、環境対策として、吹田市の環境に係る条例、要綱等の規定及び関係する基本計画並びに摂津市の環境に係る条例等の規定及び摂津市環境行動計画の趣旨、目標を遵守するとともに、環境を悪化させないような対策を講じるものとする。
(住民説明)

第6条

 鉄道公団及びJR貨物は、この協定の終結後速やかに吹田貨物駅及び貨物専用道路等の事業計画について住民に説明するとともに、住民の意見を可能な限り事業計画に反映させ、円滑な合意形成に努めるものとする。
(事業着手)

第7条

 鉄道公団及びJR貨物は、これまでの協議の経緯を踏まえ、この協定の内容を誠実に履行し、大阪府、吹田市及び摂津市の合意を得た上、事業に着手するものとする。