市議会報告

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4月臨時議会
3万8887名の市民の思いをこめた直接請求「梅田貨物駅移転の是非を問う住民投票条例」を否決!
2006.2
市議会報告 71号より
梅田貨物駅移転

条例提案に際しての市長意見

改めて直接住民の意思を問うための住民投票条例を制定する必要はないと考える

賛成11名(共産党8名、市民ネット2名、市民自治1名)
反対24名(公明党、自民党、民主市民、市民リベラル)

 「梅田貨物駅が吹田操車場跡地へ移転されることの市民の意思を問う住民投票条例」などについて審議する臨時市議会が4月17日から26日まで開催されました。
 梅田貨物駅の吹田への移転の是非について、市長が勝手に決めるのでなく「住民の判断を聞いてほしい」と市民が直接請求を求めた住民投票条例案は、残念ながら反対多数で否決されました。
 本会議や委員会で主張した議員団の考えは次のとおりです。

梅田貨物駅移転の吹田への移転の根拠はない関西財界の、梅田北ヤード開発の犠牲を押しつけ

 梅田貨物駅の吹田操車場跡地への移転問題は1987年国鉄の分割民営化に際し、吹田へ全面移転し、梅田北ヤードを売却し旧国鉄の長期債務を返済する目的で閣議決定されたものです。しかし梅田北ヤードの売却益、膨大な移転費用についても未だ明らかにせず、利益がいくら出るのかも示すことが出来ません。梅田貨物駅移転問題そのものの「目的と前提」が崩れています。
 大阪市内の最後の1等地の開発のために梅田貨物駅を吹田操車場跡地と百済駅に移転させることが大阪府、大阪市、鉄道運輸機構、そして関西財界の大目的になっているのが今日の現状です。

8号線延伸を通常工程で完成させると、一般会計繰越入金が約150億円不足

貨物駅移転による環境悪化、吹田操車場跡地開発財源問題、地下鉄8号線延伸など具体性はなく課題は山積

 阪口市長は「東部拠点事業が大きな財産となる」と言うが、住宅密集地の真ん中に建設される貨物駅、貨物関連自動車が全市域を1日1000台走行する事、住宅に隣接するアクセス道路、道路出入り口には小学校、保育園が隣接していることによる大気汚染、騒音、振動などによる環境悪化の心配をぬぐうことができません。
 東部拠点と位置づけられた吹操跡地の開発が「近未来の夢のあるまちづくり」と強調されているが、開発に伴う財政負担、大阪地下鉄8号線は南進も計画中止となっており吹田への北進計画は俎上にもあがっていない。

岩国市など大事な事を住民自身で決めるのは地方自治の大きな流れです住民投票は市民参画による地方自治と民主主義の発展を促進

 憲法93条で自治体首長などの直接選挙。憲法95条では特別法に対する住民投票を規定し、地方自治法では条例制定または改廃の直接請求、事務の監査請求、議会解散請求、議員・首長・主要公務員の解職請求などの直接請求権を規定し、市民の市政への参画を保障しています。
 山口県岩国市では米海軍厚木基地の艦載機移転の是非を問う住民投票で、井原岩国市長は「岩国の将来を決める重要な問題につき、直接住民の意思を確認することは自然なこと。投票の結果を踏まえて地元の声をしっかり国に届けることが必要と判断した」と市民に説明し、投票を呼びかけました。

“市政の主人公は市民”38,887名の直接請求署名の思いを受け止めるのが当然

 今年の1月から2月は厳しい寒さでした。「貨物駅の移転問題は吹田市にとって重大なこと、市民みんなで決めようと」厳しい寒さの1ヶ月に38887名の条例制定請求署名を集め、提出された市民の皆さんの思い、吹田市政始まって以来のこの市民の熱い思いを、重く受けとめるべき。阪口市長は「着工合意に締結したから後戻りできない、住民投票は必要ない」と表明しているが、結論を押し付けるのではなく、請求署名にこめられた市民の思いをくみ上げることが、住民一人ひとりを市政の主人公として大切にすることになるのです。