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騙されないマンション購入と管理 注意すべき点 マンション相談
「法律から見て」

【マンション購入】
 マンション広告は多くの人にとって最初に入手する情報源である。誤認・誤解を与える広告は法律で禁止されており、違反すれば制裁措置もある。マンション未完成の場合、開発許可・建築確認前の広告や分譲は禁止をされている。マンション広告の内容は、法律上の契約内容ではなく、売買契約の申し込みを誘う行為であることに注意する必要がある。モデルルームも同様で、見に行く時に写真撮影や測定などしておればトラブルの際証拠になる。
 道路の騒音については購入前に現地に行ってみるのが前提で、上下階の騒音については構造上の施工の関係でおこることがあるためチェックする能力のある専門家に依頼する。
 眺望や日照を売り物にしている場合が多いが、そもそも周辺環境は分譲業者の支配が及ぶものではなく、第三者の行為によって当然変化するものであるというのが法律の考え方。単なるうたい文句で、イコール契約内容とはならないのでこれも注意が必要。契約違反となるのは、近隣に眺望を妨げる計画があることを知っていたか簡単に知ることが出来たのに購入者に知らせず眺望を保障するような説明をした場合や、分譲業者自身が眺望を妨害した場合のみである。断定的な発言で信用させ、消費者が購入した場合は契約を取り消すことができる(消費者契約法の第4条)。


【管理運営】
 権利関係では、敷地に駐車場をつくり分譲会社の系列会社に専用使用権を設定し駐車場料金は系列会社に入るようになっていたり、マンション屋上の広告塔に専用使用権を設定し広告代金は元の敷地所有者に入るようになっていたりするが、この設定は最高裁判決では有効となっている。しかし共有部分は全員で持ち合う部分であり、その部分も含めて購入しているのであって、設定されていないかどうかきちんと確認する必要がある。
 管理・運営について。区分所有者は、たとえ専有部分であっても建物の保存に有害な行為をすることはできない。規約によりペット飼育や営業することも禁止できる。暴力団の組事務所も。
 共有者は持分に応じて共有部分の維持管理に必要な経費を負担しなければならない。管理費を滞納した人から区分所有権を譲り受けた場合、滞納金の支払い義務が生じる。修繕積立金は現実に生じた管理費ではなく将来に備えたものなので修繕計画が妥当かどうか専門家にチェックしてもらうのがよい。自主管理しているところでは組合員のなかに専門家がいる場合があり、協力してもらえることもある。管理会社に委託している場合は管理会社をチェックできるかどうかが大事。管理組合の管理・運営の質こそがマンションの居住環境・資産価値を規定する。

(弁護士 徳井義行)


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