自治基本条例についての意見
今回提案された自治基本条例は、市民会議と研究会が3年間検討してこられた議論をもとにしたものであり、他市の状況なども研究しながら熱心に議論を重ねてこられたことは評価をするところです。
この自治基本条例は提案説明でもありましたように地方分権がすすみあらたな課題に自治体が対応するため市民参画の基本を定めた条例となるとのことです。しかしながら今回の条例はあくまでも基本理念をうたったものであり、この条例の目的とする市民参画のための具体的な方法を定めるものが何も提案されていません。
審議の中で分かったことは当面パブリックコメント条例をつくることと、4年前に取り下げられた「まちづくり市民参加条例」が形を変えて「地域との協働によるまちづくりに向けて」という職員の虎の巻のようなものとして昨年9月にだされ、議会には特に説明もなく地域にまちづくり協議会を提案されていることなどです。
代表質問でも申し上げたとおり、岸和田市では自治基本条例とあわせて5つの市民参画の手続きを定めた条例が提案をされています。
本市ではこの点で具体化ができていないことと、地方自治法との関係で条例案中の文言の定義や市民の権利の問題など整理すべき課題があるということを指摘せざるをえません。
これまでわたしたち日本共産党議員団は、議会の中でたとえばニュータウンの再生でも市民が行政や事業者と同じテーブルについてまちづくりをすすめるシステムをつくることなど、さまざまな課題について住民参加を推進することを一貫して求めてまいりました。
4月の臨時市議会においても市政上の重要な問題である梅田貨物駅移転について、その是非を問う住民投票条例は住民参加のもっとも大切な方法の一つであり、実現を求めました。
しかし市長は「必要ない」と住民投票を否定し、今回の条例案でも一般的には住民投票を認めておきながら対象となる市民を地方自治法どおりとし、定住外国人や18歳以上の市民の直接請求権について議論が成熟していないというなど、吹田市として果たして本当に市民参画をすすめようとしているのかどうか、市長の政治姿勢に疑問を感じざるをえません。そういうのなら、議論を成熟させてから提案をすべきではないでしょうか。
以上、整理すべき問題点をよく検討され、きちんと練り上げてから再度提案すべきであり、今議会での条例制定については時期尚早と判断し、反対します。
(柿原まき委員)
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