税制改悪で介護保険料9632人が大幅値上げなど、くらし後退予算に反対
日本共産党吹田市議会議員団を代表して、2006年度一般会計予算案について意見を述べます。
地方自治体は住民の生活と安全を守る仕事をしっかりと果たすことが求められます。国や府が市民に負担を押し付けてくれば、それをはねのけ、住民の利益をまもることを第一の仕事にしなければなりません。憲法に「地方自治の本旨」をうたい、地方自治法では自治体の仕事の第一に「住民の福祉の増進を図る」ことをかかげていますが、本予算が市民の切実な願いにこたえたものになっているのかどうか。
以下、本会議や委員会審議のなかで、新年度一般会計予算案について検討をした結果について述べます。
「国民保護法」はアメリカ軍と自衛隊が軍事活動を自由におこなうために「国民保護」の名で国民と自治体を統制、管理、動員する法律であり、戦争を前提とした国家総動員法の内容をもっています。戦後日本は憲法の平和精神を基本として努力してきたところであり、憲法違反の内容をもつ国民保護計画について本市が具体化することは認められません。
東部拠点整備事業は本市への梅田貨物駅移転を前提としています。住民投票条例制定運動がすすんでいるにもかかわらず、市長が着工合意を強行したことについて、わが党はその撤回を主張してきました。この四月に臨時市議会が予定されており、市長自らが住民投票条例案を提案されます。「大事なことは、自分たちで決めさせてほしい」の4万人近い市民の思いを深く受けとめる必要があります。現時点で市民合意が得られたとは思えず、関連した予算を認めることはできません。
平和のバラ配布事業が廃止されたが、わずかの経費でもあり、非核平和都市宣言をしている本市の立場からみて、かりに事業見直しをするのであれば、それにかわる事業を考えるべきであり、市としての姿勢が問われると思います。
わが党が一貫して求めている商工業振興条例制定についてはなんら進展がなく、住宅リフォーム助成制度などの具体的な施策もありません。いっそうの中小零細企業対策を求めるものであります。
芸術文化館構想には、市長の思いつきの構想をトップダウンで具体化しようとするものであり、すぐに構想づくりにとりかかる必要はないと思います。
小学6年生と中学3年生に「学力等実態調査」をおこなうが、法的に同和行政が終了しているにもかかわらず、同和問題を口実にして旧同和地域に住んでいる児童生徒やその保護者の「住所データ」等を学校が市教育委員会をつうじて府教育委員会にとどけることは、旧同和地域に住む市民の人権を著しく犯すことになります。本市の教育行政が手を貸すことは到底認められるものではありません。
北千里小学校の統廃合について住民合意が得られていないなかで、青山台、古江台小学校の校舎改善予算が組まれていることも問題です。
事業の継続の要望が強い、生活保護世帯等への夏季と歳末の福祉見舞金支給事業を廃止することについては、受給者のいのち綱を断ち切るに等しい、冷たい仕打ちであります。国の高齢者等への生活保護基準切り下げなどあわせ、いっそう市民生活に痛みをひろげるものであり、認められません。
学童保育は児童の安全にも大きな役割を果たしており、保護者の就労実態からみても開設時間延長は切実です。待機児の解消もふくめて抜本的対策がみられませんでした。
山田駅前公共公益施設はPFI事業で準備しているが、入札参加業者が一社だけになっていることがあきらかになりました。改めるべきであります。
安威川ダム建設については、利水・治水の両面から、公共事業として必要性があるとは認められないと指摘してきましたが、昨年八月に大阪府は事実上、当初のダム建設の失敗を認め、利水予測7万トンを1万トンに大幅修正しました。今後多額の税金を費やすムダな事業であり、市は負担金をやめ、大阪府にきっぱりと事業の中止を求めるべきであります。
旧同和住宅の岸部中住宅で、6年1ヶ月もの滞納者が放置されています。市営住宅を応募する市民が多くいるが、長期にわたる滞納者を放置したままでは市民の信頼を失うことになります。過去にも指摘をしてきたことがなんら改善されていないのは問題です。
しかし今後本市は2大プロジェクトと称し、岸部駅への地下鉄8号線の延伸をふくめて吹田操車場跡地利用などの大規模な開発事業に着手する。現時点でも莫大な財政負担があきらかで、市がみずから策定した「後期財政健全化方策」の現状分析と照らしても、今後これらの大規模な公共事業をすすめれば、財政破たんの危険や市民生活への悪影響ははかりしれません。
よって本予算について個々の事業では市民要求の反映を評価できますが、いくつかの重要な事業については市長の政治姿勢を認めることはできません。以上問題点を指摘し、本案に反対いたします。 |